さて、前回まで成分云々の小難しい話が続いており
読者の方から戴いたメールに
『石原さん。メルマガ購読している者です。
最近は成分の話が多く難しくて読み飛ばしていますが
これからも頑張って下さい。』と言う内容が書かれていました。
一番重要な所を読み飛ばすとは・・。
と思いましたが企業でも概ね末端の使用者の方は
このような方が多く『理屈云々より効果が有れば良いんだ』
と言う単純明快な発想の方が沢山居られます。
そこで今回は小難しい成分云々の話の合間の息抜きとして
『実際、添加剤って効果有るの?そもそもオイル添加剤って
物好き以外に買う奴が居るの?』と言う
極めて根本的な問題を取り上げさせて頂きます。
殆どの方は財布に余裕がある時に添加剤を
出来心で2〜3回購入し、当然のように肩すかしを喰らい
『何だこれ?本当に効いてるのか?畜生騙された!』
となる方が多いと思います
私宛のメールでも営業先でも
『添加剤なんて入れる位なら
マメにオイル交換した方が良いのでは?』
と言う御意見を頂戴致します。
結論から申しますと全くその通りで異議はありません。
『えぇ。お客様の言う通りマメに交換して頂ければ良いと思いますよ。』
と私は言っています。すると、じゃあ何であんたはそんな物売ってるの?
となる訳です。まぁ当たり前の反応ですね。
私は、弊社ではマメに交換する事が出来ない方をターゲットに
製品を開発しているのでマメに交換される方はそれで良いと思っております。
と答える訳です。
マメにオイル交換出来ない。とはどんな場合でしょうか?
面倒臭い・金が掛かる・時間が無い(時間が勿体無い)
汚れるから自分でやるのは嫌・ショップでオイル交換の時間を待つのも嫌
企業レベルになると、業務中はオイル交換等出来ないのでメンテナンスは
休業日になる事も有るのですが、わざわざ休みの日に出勤して
業者の作業に立ち会うのが嫌という人もいます。
加えて『業務や生活に車は必須で壊れると困る』と言う思考も持って居られます。
要約させて頂くと下記になります。
『整備等で手間暇と金を掛けたくないけど車の調子が悪くなるのも嫌な人』
そんな方達の、極力手間暇掛けず適当な管理で車の調子もキープ出来る
物は無いかな?それと修理費を払うのも嫌だから
当然各部の保護も念入りにしてくれる物が良いなぁ。
と言うナマクラな要求を満たす製品が望まれる訳です。
これはオイル添加剤開発の1つの指針となります。
ですから、その手の製品は几帳面な人が自分の信念を曲げて
購入する物ではありません。
キッチリ定期的に交換しないと精神的に嫌な人は
高い性能を謳う高級オイルを湯水の様に使って交換して頂けば結構です。
その都度添加剤も使って頂ければオイル業者・添加剤業者・
双方共に誠に有難いお客様。車も絶好調間違い無し!
と相成る訳ですが、ユーザーは頭が痛くなりますね。
この不況時に『減らせる出費は減らしたい』と言うのが
何処でも第一声に挙がる偽らざる本音でしょう。
買うのに法外なプレミア費を積む必要が有る超高級外車や
現存する事自体に価値がある骨董的な車、或いは
極限まで改造を施し、スピードに全てを捧げる
殉教者のような方が乗る車ならまだしも、
景気が云々と言ってる厳しい時に
多少馬力が上がったり、エンジンが静かになった処で
経済的メリットを享受できる物では有りません。
そんな物に金を費やす意味が有るのか?と考える人もいます。
そういう人に『車の調子はそのままで維持費とメンテの手間が省ける
物が有るんですがねぇ・・。』とコソッと話すと
ハァ?嘘クセェなぁ。本当かよ?でも本当だったら欲しいなぁ。
となる訳です。結局、安くて便利に超した事は無いのです。
それとは逆に、車の場合、多少出力が低下しても大して損害には成りませんが
工場のライン等で機械の出力が低下すると即生産性低下及び
消費労力の増大によるコスト増に響いて来る為、問題になります。
その為、マメに整備をするのですがそれでも生成物の発生は抑制できず
それが配管内に堆積すると出力低下の原因になります。
当然、配管内洗浄等の作業になると必然的にラインの操業を止める事になり
大規模なラインでは一日で数千万以上の損失を生む事になってしまいます。
この為、ラインを止めないで、何とか配管内の汚れを綺麗にする方法は無いか?
と言う、これまたワガママな要求が出てくる訳で
それもオイル添加剤開発の1つの指針となります。
車輌に採用されている循環方式のエンジンも例外無く油道と呼ばれる
オイルの通路が有り、其処に堆積物が溜まる事は致し方無い事ですが
わざわざエンジンを解体してブラシを突っ込んだり
溶剤を高圧で強制循環させたり
(問題有りの方法※詳細は次号以降で)
と面倒な事を普通の方は行わないでしょう。
よく、各部の抵抗を下げて出力増大を計る。と言う決まり文句の様な
コピーを目にすると思いますが(弊社のサイトにも書いてあるが)
各部の抵抗を下げて上がる出力はタカが知れている訳で(無意味では無い)
体感レベルではエンジンの回転がスムーズになる・音が静かになる程度で
『だからどうした?』と言われると身も蓋も無いレベルです。
その程度で満足して頂ければ誠に有難いのですがそれで満足する人は少数です。
この手の添加剤を購入する人は一般的に物好きと言われる人々で
大切な御客様なのですが、
幾多の眉唾物を掴み、散々煮え湯を飲まされた経験を持ち
その怒りの矛先を向ける相手を常に探している
業者にとって厄介な人々でもあります。
敢えて金銭的メリットの無い、馬力向上、
静寂性向上の為に出費する訳だから
生半可な効果では納得しないぞ!少しでも満足出来なければ
すぐ文句言って謝罪させてやる。と言う方が多い訳です。
そのような方を満足させるには、各部の抵抗を抑える程度では役不足で
この手の方を唸らせるには堆積物を徹底的に除去して
性能を回復させる事が一番手っ取り早い方法で、
これは非常に効果があり体感出来ます。
その点を無視した添加剤が多いのですがこれは開発力の差です。
開発力が低い企業が造ると洗浄力が高ければそれに比例して
各部に及ぼすダメージも高くなってしまいます。
極論すればオイルの代わりに灯油を入れて数分アイドリングすれば
汚れは落ちますが間違いなくエンジンはダメージを被ります。
先に出た溶剤高圧噴射の件も含めこの辺は次号以降で説明します。
この嫌な法則を反比例にするのがノウハウであり開発力である訳です。
さて、私の言いたい事が御理解頂けるでしょうか?
要約すると、まともに整備をすると非常に面倒臭い、或いは
凄く金と時間が掛かる。しかし放置する事も出来ない。
それを何とか簡単に・安く・速く・確実に出来る物は無いのか?
と言う無茶な要求を解決する為に生まれたのがオイル添加剤です。
まぁ、適当な事を謳った眉唾物が
市場の大部分を占めるのが現状ですが
そういう物は個人ユーザー限定の商品です。
企業相手にそんな物を販売して、機械がブッ壊れたり
ラインを停止させたら甚大な損害賠償を請求されるので
まず営業に行きません。
その点は売ってる業者が一番理解して居るんでしょうね。
機械をバラバラに分解して元通りに戻せる事が可能な
道具・技術・労力・時間を持ち、日々の点検を欠かさない几帳面な性格・
それに付随する金銭的問題を惜しまない方は
少なくともオイル添加剤を購入する必要は全くありませんが
それが出来ない方は一つの選択手段として考慮するのも良いかと思います。
但し、確かな製品で在るという大前提が必要ですが。